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「WEBの運営とマネタイズ」WEBマーケティングセミナーに参加してきました

Posted by admin at 17:53 日時 2012/02/05

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2月4日に大阪で行なわれた、「WEBの運営とマネタイズ」WEBマーケティングセミナーに参加してきました。主催は、昨年私がクライアントに理解される!ウェブサイトの色彩設計セミナーの講師をお願いした、カラーコンサルタントの坂本邦夫さん。このセミナーは後日参加者からとても評判がよく、その坂本さんが主催のセミナーということですぐに参加申し込みしました。講師はウェブサイトの発注側として株式会社KDDIコミュニケーションズ高畑哲平さん、受注側としてインターネットストラテジー代表の角掛健志さんでした。

ウェブサイトはビジネス上の目的を達成するために作られるものです。まずはビジネスモデルがあり、ビジネス展開の戦略があり、その中のひとつの戦術がウェブサイトを作ることです。成功するウェブサイトを作るには、ビジネス上のウェブサイトの位置づけについて、クライアントと我々制作サイドが意識を共有しておくことが理想だと思います。

とはいえ、現実はそううまくいかないもの事実。デザインの色で揉めたり、ウェブサイトができてから当然この機能は必要だろう、なぜ無いんだ、いや聞いてない、というやりとりに時間を費やしたり。発注側と受注側が意識共有できていて、同じ方向を向いていれば無用ないざこざを避けることができます。

さながら、タクシーの運転手にざっくりと北に向かってくれ、とだけ伝えて、この交差点で右、ここで車線変更、ここで高速に乗れ、おい、なぜ今の角を曲がらなかったんだ!と指示するようなものです。はじめから行き先が分かっていれば、こんな指示は要らないですし、プロに任せたほうが道をよく知っているものです。ひょっとしたら、行き先に最短時間でたどり着くには、タクシーから降りて電車に乗ったほうがいいかもしれません。

そこで、我々受注側は、とにかくその角を右だ、というクライアントに対して、行き先はどこですか?と問い直さなければならないわけです。これが実はむずかしい。お客様も何も考えていないわけではなく、熟考したうえでその角を右だ、という結論を出しているので、その指示を無視するのも良くない。また、行き先が実はわかってないというケースもある。こういう時にクライアントといかに意識共有を図っていくか、というヒントを求めての参加だったのですが、なかなか参考になるお話でした。

taxi

前置きが長くなりましたが、前半はウェブサイト発注側からのお話でした。ウェブサイトを使った収益化がテーマです。やはり意識共有の鍵は「収益化」なのです。ウェブサイトから収益があがれば、バナーがどんな色だろうが文句はないはず。発注サイドから、ウェブサイトをマーケティング戦略の中でどういう位置づけとしてとらえるか、実際にウェブサイトを使って事業を成功させてきた方のお話は説得力があるものでした。ぶっちゃけたまとめとしては、売れない商品はウェブが良くても売れない、ということなんですが…。

後半はウェブサイト受注側からのお話で、ワークショップを含んだセミナーでした。いかにクライアントの収益をあげるという視点からの提案を行うか、というヒントが得られました。そこまで踏み込んだ提案をするには、NDAをはじめに結んでおく、というのは納得です。ただ、私の場合はフリーランスの制作パートナーと情報共有することが多く、クライアントからは理解されているのですが、具体的な契約に落としこむには内容の検討の必要があるな…と思いました。

ワークショップは実際の女性向けウェブサイトのリニューアル案件事例をもとに、チームに分かれてリニューアル提案を行う、という内容でした。色々参考になるユニークな提案が飛び出しましたが、同じチームだった女性向けウェブサイトを専門に手がけられている会社の方の意見が一番参考になりました。もう、説得力が圧倒的です。プレゼンする人の経験や能力によっても、提案がうまくいくかどうかって変わってきますね。内容がいかに正しくても、魅力的なプレゼンでなければ通らないですし、通ったとしてもプロジェクト進行にしたがって提案内容が忘れられてしまい、意識共有できない遠因にもなります。自分の提案の質もプレゼン力もさらに高めていこう…と決心したセミナーになりました。セミナーの主題とは離れてしまいますが。

ところで、予算100万円で提案してほしい、というワークショップの課題だったのですが、予算をあまり使わない提案が多かったのが意外でした。架空のプレゼンなのだから、もうちょっとがめつく行ってもいいのに…などと余計なお節介ですね。

現実的には予算を提示してくれるクライアント様は少ないように思います。予算内で最高の提案をさせていただいたほうが、受注側はやりやすいです。提案を作るのもコストがかかりますので、松竹梅の3パターンの提案を作ってね、と言われるのも、なかなか厳しいご要望です。予算100%を取りに行くような業者は少ないんだよ…ということで、発注をお考えの方は頭に留めておいていただければと思います


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