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なぜフリーランスになりたいと思ったか(ウッフィーは、たぶんおいしい)。

Posted by admin at 9:54 日時 2010/11/12

Mine? Mine? Mine?
Creative Commons License photo credit: M.B.T.

昨日の記事でコワーキング(Coworking)に期待しているということを書きました。
その前になぜフリーランスになったのかということを書こうと思います。

キャリアアップってなにそれ?おいしいの?

僕はもともとWebの知識も技術もゼロの状態からこの業界に飛び込みました。趣味のDTMで作っていたmp3ファイルを置くホームページを作っていたため少しHTMLの知識はありましたので、当時通っていた学校の学費を稼ぐためにWeb制作会社でバイトとして働き始めたのがはじまりです。Web制作はやってみると面白く、卒業後はそのまま社員となって働き始めたのですが、最初に務めた会社は諸事情あって無くなってしまいました。リーマンショックの衝撃冷めやらぬころです。

その後転職活動をしていたのですが、当然キャリアプランを問われます。制作会社ですと通常、エンジニアからディレクター、さらにプロデューサーと上流工程にシフトしていくわけですが、そういうルートが感覚として全くしっくりこなかった。だってそれは会社にそういうポジションが用意されている前提なわけですよ。でもそういう終身雇用的な安定からは最も遠いのが若いIT企業なはず。だから「うちの会社に来ればこういう風に給料が上がるからね」と言われても、全く信じられないし、「キャリアプランは?」と聞かれても心のなかでは納得せずにプロデューサーだとか言っている。

結局、昔の上司に拾われてWeb制作の仕事を再開したのですが、「会社の中でポジションを上げていくことに興味が持てなければ、どう生きればいいのか」という疑問はずっと残っていました。この答えはまだ出ていませんが、ひとつ信じられるのがウッフィーを増やしていくべきだということです。

ウッフィーは、たぶんおいしい。

ウッフィーとは、タラ・ハントの著『THE WHUFFIE FACTOR(邦題:ツイッターノミクス…この日本語訳はこじつけ!)』で出会った概念です。

ウッフィーは、その人に対する評価の証と考えればいい。人に喜ばれるようなことをしたり、手助けをしたりすれば、あるいは大勢の人から尊敬され評価されれば、ウッフィーは増える。逆なら、減る。[…]ウッフィーを増やす方法は、[…]好かれること、つながること、一目置かれることだ。

– 第1章 ウッフィーって何? より

これだけの引用では分かりにくいので、ぜひ本を読んでもらいたいのですが、ソーシャル・ネットワーキング・サービスの普及により、メディアの形が大きく変わり、個人のメッセージがこれまでになく遠くに届くようになりました。このような変化の中で、ウッフィーは「個人のキャリアにとっても、企業が競争を勝ち抜くうえでも、もはや欠かせないもの」になるとハントは指摘しています。

というか、「好かれること、つながること」って敷居が低いですよね。一目置かれるのはちょっと難しそうですが、「人脈を作る」という固い言い方よりは「ウッフィーを増やす」という方が素敵な感じがします。スーツをビシッと決めて名刺を配り歩くのではなく、Twitterで好きな人とどんどんつながっていくイメージ。役に立つ情報をフォロワーの誰かのために投稿する。面白い人を見つけてフォローする。好かれることもつながることもTwitterを使えばできそうな気がします。…って待てよ

Twitterでウッフィーを増やせるんなら、会社の肩書きや職種なんていらない?

この気づきが大きな意識の変化になりました。確証なんてありません。でも、一度心が切り替わってしまうともうもとには戻れない。こうして会社との交渉がスタートし、半年後、正社員を辞めてしまいました。つまり、会社に通うのが嫌で辞めたわけでも、一人になりたいわけでもない、むしろ人とつながるために会社に行かないということです。こういう人がどんどん増えてくるのだと思っています(そう思う根拠はまた別の機会に書きます)。

ただ、やめるほどではないとは言え、毎日誰かと一日の大半を同じスペースで過ごすのがストレスなのも事実。つながりたいときだけつながり、一人でいたいときは一人でいる。そんな都合のいい働き方はないものか…。それがコワーキングというわけです。

お、コワーキングに期待することを書くはずが、今回も長くなってしまいました。
また、次回に続く…。

ツイッターノミクス TwitterNomics

  • 著者/訳者:タラ・ハント 津田 大介(解説)
  • 出版社:文藝春秋( 2010-03-11 )
  • 単行本:288 ページ
  • ISBN-10 : 4163724001
  • ISBN-13 : 9784163724003
  • 定価:¥ 1,697

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