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書評:2冊目に最適、かも。『「公式ディレクトリ掲載テーマ」で学ぶ WordPressサイト制作入門』

Posted by admin at 8:13 日時 2013/11/25

東京で著者の一戸さんにお会いした時にもらっちゃいましたので、書評を書きたいと思います!

「公式ディレクトリ掲載テーマ」で学ぶ WordPressサイト制作入門

  • 著者/訳者:一戸 健宏
  • 出版社:SBクリエイティブ( 2013-11-14 )
  • 大型本:350 ページ
  • ISBN-10 : 4797372370
  • ISBN-13 : 9784797372373
  • 定価:¥ 3,024

本書の表紙では大きく「WordPressサイト制作入門」と銘打たれており、「公式ディレクトリ掲載テーマで学ぶ」の方が小さい扱いですが、どちらかというと「公式ディレクトリ掲載テーマで学ぶ」と言うところが重要です。世の中にはWordPressのテーマを作るための参考書が山ほどあふれている訳ですが、多くの方が「何が正しい方法なのか?」「プロはどういう考え方で作っているのか?」という不安や疑問を持たれているのではないかと思います。その答えが本書にはあります。

公式ディレクトリ掲載テーマとは、WordPress.orgに掲載されている、WordPressの管理画面からダウンロードできるテーマのこと。公式ディレクトリに載るテーマは、WordPressの公式のガイドラインに合致していることが求められます。この審査はとても厳しく、おそらく世のWordPress本を執筆している著者でも、このガイドラインをクリアできるテーマを作成できる人は少ないのではないでしょうか?公式ディレクトリ掲載テーマのガイドラインをクリアしているということは、WordPressの各機能をエラーを起こさずに正しく動作させることができ、非推奨になった機能を利用していないためバージョンアップの際も安心で、利用者に取って使い勝手の良いテーマであるということです。

本書の多くのページはWordPressに同梱されているデフォルトテーマの解説と、著者自身が実際に公式ディレクトリに登録し審査を通過したテーマの内容の解説に割かれています。これを理解することで、正しいWordPressテーマの作成方法が身に付くことと思います。また、最後にはテーマのカスタマイズ方法も解説されています。テーマをイチから作るよりも、公式テーマの子テーマを作成する方が効率的です。その方法も解説されています。WordPressを使った制作のプロである著者が、どのようにテーマを開発するのか、そしてカスタマイズするのかの考え方を知れます。これはプロの制作手法を知りたい方に取っては、他の書籍にはない大きなメリットと言えるでしょう。

ただし、本書は全くの初心者には向かないと思います。WordPressのテーマを自力で勉強したことがあるか、1冊目になにか初心者向けの本で取り組んだ方におすすめします。その理由は、本書ではテーマの各記述が何のために記載されているのかの解説はありますが、個別のテンプレートタグや、PHPの文法に関する解説は省かれているからです。もちろん、テンプレートタグやPHPの文法はCodexやPHP.netを見ればいいので、別に本を買う必要は無いんですが、そこを求めている方には本書は難しいと感じるでしょう。

解説の表現も、WordPressの処理やテーマの各ファイルがどういう役割なのかを理解することを重視しているため、概念的には分かりやすいですが、抽象的です。概念的に理解したい人には最適ですが、逐一解説してほしい人には不向きかも。

また、アクションフックやフィルターフックなど、高度なカスタマイズに関わるところも簡単に解説されているだけですので、専門的な内容を勉強するために3冊目のWordPress本を買おうと思っている方にも向かないかもしれません。そのため、個人的には2冊目のWordPress本としてオススメだと思います。決してオススメ度が低いと言ってるわけではないですよ。逆に、もし2冊目を買うなら、どんな本を1冊目として買っていたとしても、次はこの本を選択していいと思います。

「公式ディレクトリ掲載テーマ」で学ぶ WordPressサイト制作入門

  • 著者/訳者:一戸 健宏
  • 出版社:SBクリエイティブ( 2013-11-14 )
  • 大型本:350 ページ
  • ISBN-10 : 4797372370
  • ISBN-13 : 9784797372373
  • 定価:¥ 3,024

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