ホームページが作りたいだけなら、プロに依頼しないでください
Posted by admin at 11:27 日時 2010/11/26
photo credit: Steve Snodgrass
ケンカを売っているわけではなく、マジです。
ほんの一昔前は、HTMLが分かっていないとホームページが作れなかった時代もありました。もうそんな時代はすっかり過去のもの。今ではサーバーにインストールすればすぐにウェブサイトの運用を開始できるWordPressやconcrete5などの優秀で無料のオープンソースソフトウェアがあり、JimdoやGoogleサイトなどサーバーへのインストールさえ不要なサービスもあります。
つまり、いまホームページを持っていない方が、とにかく作りたいというだけなら、本当にプロに依頼しなくても作れるわけです。
では私のようなWeb制作を仕事にしている人間は、何を提供しているのでしょうか?
それは「ノウハウ」です。もっと言えば、いまあるホームページの問題点を見抜き、より良くするためにはどうしたらいいかを提案する「知識と経験」です。この点はよく誤解されがちなのですが、分かりやすく名刺に例えてみましょう。
ビジネスパーソンなら誰しも持っている名刺。せっかくなら名刺はかっこいいほうがいいですよね。つまりデザインが必要です。でもその前に名刺に何を書くべきかを知らなければいけません。名刺の内容が決まり、事業のコンセプトにあった素敵なデザインが出来上がったら、印刷する必要があります。晴れて印刷が済んで名刺があなたのもとに届きます。今度は名刺をどうやって渡すか知らなければいけません。また、名刺が足りなくなったら補充することも忘れてはいけません。
ホームページ制作と対応させた場合、こうなります。
- 名刺の内容を決める ⇔ ホームページのコンテンツを決める
- 名刺のデザインを決める ⇔ ホームページのデザインを決める
- 名刺を印刷する ⇔ ホームページを開発する
- 名刺の渡し方を知る ⇔ ホームページの運用について学ぶ
- 名刺を実際に渡す ⇔ ホームページを運用する
- 足りなくなった名刺を補充する ⇔ ホームページをメンテナンスする
どうでしょうか。「ホームページを開発する」ということは、名刺で言えば印刷にあたります。でもいま電気屋に行けばプリンタなんて安く買えますよね。プロに依頼しなくてもいい。
ところが印刷以外はそうはいきません。ビジネスパーソンならば、名刺の渡し方は上司から、あるいは研修で知るかもしれません。でもホームページの運用方法を上司が教えてくれるでしょうか。社内研修があるでしょうか。つまり、
名刺の使い方と同じように、ホームページの使い方を知っているとは限らない。
使い方がわからないと名刺もただの紙なのと同じように、ホームページも適切な使い方がわからないとただの紙…ですらありません。ただのサーバー上の0と1の羅列です。作っただけにしないためにお手伝いをするのが我々プロの仕事だと思っています。
また、名刺だと実際に自分で目の前の人間に渡すので、やはり細かい表記やデザインにもこだわりますよね。ホームページは直接目の前の人間に見せるわけじゃないので、つい手を抜いてもいいかと思ってしまいますが、実はそうじゃないんです。どんな人がホームページを見ているのか、今流行のデザインはどんなのか、そういった点のアドバイスもできます。
WordPressやconcrete5などの最新のソフトウェアは、毎回手書きで記入しなければならない上にはんこを押さないと使えなかったような名刺(そんなもんありえないけど)が、印刷されたスマートな紙の名刺にようやくなった、そのくらいのものだと思っています。
参考URL
- 小さなWeb屋のビジネスチャンス。CMS物件が放置される近未来
本当はこの記事を紹介しようと思ってたんですが、話がそれてしまいました。