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被リンクは死ぬのか?マット・カッツの話を和訳してみた

Posted by admin at 16:33 日時 2014/05/12

Web制作という職業柄、SEOについて問い合わせをいただくことも多いので、YouTubeのGoogle Webmastersチャンネルを購読してよく見ているのですが、見たことある動画を貼った日本語の記事で、被リンク死亡、SEO業者死亡、これからはオーサーランク!というのがソーシャルで流れてきまして(あえてリンクは貼りませんが)、え〜、そんなこと言ってたっけ?と疑問に思ったので、改めてMatt Cuttsの話を聞いてみました。注目されている話のようなので、和訳しておきますね。誤訳があればコメントにてご指摘いただければ幸いです。

今日の質問はNYのLeahからの質問です。「Googleは90年代に、他社がそうしていたようにコンテンツだけで評価するのではなく、バックリンクによってウェブサイトを評価するしくみを導入することによって、検索エンジンのマーケットを変えました。パンダやペンギンアップデートは、コンテンツに重要性が移ってきていることを示しています。バックリンクはその重要性を失うのでしょうか?」

そうですね、私はバックリンクがなくなるにはかなりの時間を要すると思いますが、そうなるためには必然的に、我々がいまトライしていることですが、専門家がどのように言っているのか、この特定のページは彼らの情報のニーズに合っているのか、を理解する必要があります。そして、時にはバックリンクもその判断基準になります。それはサイトやページの評判を表しているからです。しかし、ほとんどの場合、人々は検索結果から遷移したその特定のページのコンテンツのクオリティを気にします(訳注:サイト全体の評価ではなく)。そのため私は、少しずつ、バックリンクの重要性は薄まると思います。

もし我々が実際にダニー・サリバンがこの記事を書いたのか、あるいはヴァネッサ・フォックスが書いたのか(訳注:どちらも検索エンジンの専門家)、みたいなことを知ることができれば、OK、彼は専門家だ、特定の分野の専門家だな、ということを理解することを助けてくれます。そして、我々はまだ彼らが実際に何を書いているのかを理解できていませんが、それでもGoogleはどんどん実際の言語を理解できるようになってきています。そのため、我々がこの数ヶ月で力を入れるのは、どのようにスタートレックのコンピューターの様にできるかを明らかにすること、つまり対話型検索です。マシーンに話しかけるような検索のことです。それが理解できるようになれば、検索にキーワードを使う必要はなくなります。何を言っているのかが理解できるようになる、例えば「ジャスティン・ビーバーの身長は?」という質問の次の「彼はいつ産まれた?」のような質問が、何を指しているのかが分かるようになります。彼とはジャスティン・ビーバーを指している、そういうことです。

それを実現するには、我々はより自然言語を理解する必要があります。そして、私が思うには、我々が誰かが書いた内容を、そのコンテンツが真にどういう意味なのかをより理解できるようになれば、必然的に少しずつリンクの重要度は下がっていくでしょう。(訳注:そのような変化はすぐに出来ないので少なくとも)我々は今後数年は、ページやサイトの基本的な評価のために被リンクを使い続けると思います。

動画を見た感想ですが、マットは、非常に慎重に言葉を選んでいるように思います。それが、言語をまたぐだけで全然違うことを言っているかのように誤解されるのは、まあ良くあることとはいえ、難しい問題ですよね。あと、マットの話は分かりやすいんですが、具体的なことはあまり言わないので(言うとSEO業者がリバースハッキングするからでしょうね)、そこが見た人がつい踏み込んだ解釈をしてしまう原因かもしれません。

特に最後にリンクによる評価は今後も限定的に使い続ける、という言葉で締めているのが印象的でした。より自然言語による検索にフォーカスしていくというのは、とてもワクワクする未来だと思いますし、早いところ日本語も理解できるようになってほしいと期待したいと思います。

訳をちょいと修正しました

最後の文章の訳を直していただきました。ありがとうございます!

ことの発端。

おまけ

このあたりの事情に詳しい方の情報提供を正座待機しております。


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