Blog

コワーキングとオープンソース #cowjpadv2011

Posted by admin at 9:02 日時 2011/12/20

#

この記事はコワーキング・アドベント・カレンダー2011に参加しています。全ての記事を読むにはこちらのまとめページをどうぞ。コワーキングって何だ?という方にもオススメです。
写真は12月11日に開催されたコワーキング・フォーラム関西2011の様子。

昨年のコワーキング・アドベントカレンダー2010に投稿した記事「コワーキングは『理想の働き方』じゃない。」を読み返すと、かなり理想論と言える内容で、まだ地に足がついていない感じがする。

また、自分が取り組むべき課題について考えた、今年6月の記事「ノットニル・クリエイティブの3つの信念。」を書いた時点では、コワーキングに取り組むことと、WordPressconcrete5といったオープンソース・プロジェクトに関わることは、別々のものとして感じていた。記事の書き方もそのようになっていると思う。

ところが、今年の後半は一気にこの2つがリンクし、共鳴しあったエキサイティングな体験ができ、自分の中で「コワーキング」という単語がやっと地に足がついた、実感の持てるものになったと思う。そこで、今年はこの「コワーキングとオープンソースの関係」について少し書き残しておきたい。

きっかけは、WordCamp KOBE 2011

9月11日に神戸でオープンソースソフトウェア「WordPress」の大規模なカンファレンス、WordCamp KOBE 2011が開催された。WordPressはオープンソースCMSの中でも大変な人気で、日本でもかなりの数のユーザーがおり、年々コミュニティの熱気も増している感がある。実はWordCampはおろか地域の勉強会にも顔を出したことがなかったのだが、今年は縁あっていきなりWordCampの実行委員として、運営に参加することができた。

そして、大規模なカンファレンスであるが故に、自分がフリーランスになってから知り合った関西のクリエイターにたくさん協力してもらった。それぞれTwitterやFacebookでは普段からつながっていたし、勉強会などで顔を合わせたこともある仲間なのだが、イベントをともに作り上げたことで、一体感が生まれたように思う。この経験が、コワーキング・フォーラム関西にもそのまま生きた。イベントの運営メンバーはWordCamp KOBEのスタッフともかなり共通していたし、関西のコワーキング・コミュニティが広がるきっかけになったのではないかと思う。

そして、WordCamp KOBEの懇親会で行われた飛び入りライトニングトークでは、Juso Coworkingを運営されている深沢さんを皮切りに、コワーキングスペースのプレゼンが相次いだ。私もWordBench神戸の拠点でもある神戸のコワーキング・スペース「カフーツ」を紹介させていただいた。もともと、Juso Coworkingやカフーツでは、オープンソースコミュニティが主催する勉強会がよく開催されている。Wi-Fiが使えたり、利用料がリーズナブルだったりと、コワーキング・スペースはもともとノマドワーカーやフリーランスにはありがたい環境なのだ。

WordCamp KOBEの終了後、WordPressコミュニティで知り合った真木さんWordCampのライトニングトークを聞いて関西のコワーキングスペースを回っていたことを知る。このあたりから、知り合いのWordPressコミュニティの人たちがどんどんコワーキング・スペースに足を運んでいる様子がFacebookやTwitterを通じて伝わってきた。名前を挙げたらきりがないくらい。さらに横浜にはWordPressコミュニティで知り合った方がコワーキング・スペース「タネマキ」を立ち上げる。気づけばWordPressだけじゃなく、concrete5コミュニティの佐々木さん岡部さんもコワーキングに参加している。おやおや?これはすごい、つながってるぞ…?と思いだしたのが、ざっと今年の後半の実感である。

オープンソースとコワーキングの共通点

ここまでリンクするからには、オープンソースとコワーキングには共通点があるに違いない。たくさん挙げることができると思うが、2つピックアップしてみたい。

日本中に、そして世界につながる

WordCampは日本全国で開催され、今年は特に参加者も増えた年だったと思う。また、オープンソースカンファレンス(OSC)の開催都市も年々増え、全国で活況を呈している。これらの参加者の中には全国の数カ所のカンファレンスに参加する人も多い。かくいう自分も東京で開催されたWordCamp Tokyoや京都で開催されたOSC Kyotoに参加するなど、あちこちのイベントに参加している。そういう人は、各地のコミュニティを媒介する役目となり、日本では神戸から始まったコワーキングの認知度を全国規模にするのに一役買っているのではないかと思う。そして、来年は逆方向、つまりコワーキング・スペースがよりオープンソース・コミュニティの活動に役立つことになるのではないかと思う。

また、オープンソースにもコワーキングにも国境はない。オープンソースはプロダクトが開発された国を飛び越えて世界中で使われ、コミュニティも世界中に広がっている。コワーキングもWorld Wide Jelly Weekが開催されるなど、国境を越えた交流は今後活発化しそうだ。

みんなが貢献者

オープンソース・プロジェクトは、プロジェクトを立ち上げ主な開発を行うメンバーがプロダクトを作り公開するところから始まる。しかし、開発者だけがそのプロジェクトに貢献できるのではない。ユーザーフォーラムでのサポートや、ソーシャルメディアでの言及、勉強会の開催など、様々なひとがそれぞれの貢献をしている。そういった文化ができていると言えるだろう。

コワーキング・スペースも、オーナーがスペースを立ち上げるところから始まるのだが、スペースのオーナーだけがその場を作り上げるのではない。参加者それぞれがコワーキング・スペースを作り、よりよい場作りのために貢献している。スペースに初めて訪れた人に話しかけるのも、すばらしい貢献だ。こういう文化は、オープンソースと近いのではないだろうか。

来年は、さらに近くなる…かも?

そういった流れのなか、近いところでは、WordCamp KOBEを一緒に運営した瀬口さんがWordBench大阪(WordPressの地域コミュニティ)を立ち上げられた。新年早々に第1回の集まりがあり、すでにたくさんの参加者を集めている。ノットニル・クリエイティブのロゴデザインをお願いした馬頭さんが運営する鹿児島のコワーキングスペース「301」でも、WordBench鹿児島が開催された。東京でも、オープンソースとコワーキングが関わったイベントがどんどん開催されることと思う。

私も引き続きconcrete5の勉強会を開催していく予定である。東京で開催されていて楽しそうだなぁ、と思っているWP Jellyを関西でも開催すべく、大阪でJellyができるスペースを探していて、新年には企画が動きそう…である(こっそり予告)。来年も引き続き、オープンソースとコワーキングの化学反応に注目していただきたい。


Share this entry