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concrete5の魅力とconcrete5の国内のコミュニティについて改めて語ってみる

Posted by admin at 22:47 日時 2012/03/17

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3月16日に、オープンソースのCMS『concrete5』の最新バージョン5.5.1の日本語版が、日本のコミュニティメンバーの尽力で、英語版のリリースから実に2ヶ月遅れでリリース出来ました!めでたい!

» concrete5.5.1 日本語版リリース

このリリースには結構労力を割いたので、ぜひ皆さんに使ってほしいと思います。そこで、concrete5の魅力を改めて簡単に紹介してみることにしました。また、日本のコミュニティが日本語版のリリースにあたってどういう作業をしているのかも紹介してみようと思います。

concrete5って?

concrete5はCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)と呼ばれるソフトウェアです。いわゆる世間で「ホームページ」と呼ばれる、ウェブサイトを管理するのに特化したPHP製のアプリケーションです。当サイトのトップページはconcrete5を利用しています。ちなみに、このブログはWordPressという別のオープンソースのソフトウェアを使っています。

concrete5の魅力を説明するときに必ず挙げる3つはこれです。

  1. Webの知識がないサイト運営者でも分かりやすい
  2. デザインカスタマイズがやりやすい(プログラミングの知識が要らない)
  3. プログラマにやさしい

Webの知識がないサイト運営者でも分かりやすい

concrete5を利用したサイトは、ログインするとページの上部にツールバーが表示され、ツールバーの「編集」ボタンをクリックするとページが編集モードに移行します。こんな感じ。

ページの見た目はそのまま、編集できる部分が赤い点線で表示されます。これをブロックと呼びます。ブロックをクリックするとブロック編集メニューが出てきます。

ホームページの内容を変更したいとき、一番困るのが「いったいどうやって変更したらいいのか分からない!」です。concrete5ならそんな心配はありません。変更したい部分をクリックするだけです。

別の例を見てみましょう。お問い合わせフォームを設置する場合です。WordPressではContact Form 7という素晴らしいプラグインがあり、このようにページの中にお問い合わせフォームを埋め込むことができます。

ただ、このお問い合わせフォームの項目を変更したい場合はどうしたらいいのでしょうか…。実際は左サイドのメニューの「お問い合わせ」から行えます。ですが、まあ直感的ではない。

concrete5ならこうですね。お問い合わせフォームをクリックして、メニューから編集を選ぶだけ。

実に簡単ですよね。しかもこのフォームはプラグインではなく、concrete5の標準機能で使えます。といっても、まあ高機能なContact Form 7の足元にも及ばない様なシンプル機能ですが… (^^;

このように、concrete5の最大の特長は「Webの知識がない方でもかんたんに扱える」こと。これって、最強の特長だと思うんですよね。ホームページって難しいものだという常識をくつがえす、パラダイムシフトです。concrete5で更新するのは楽しいです!実際、いま国内でconcrete5を使っているユーザーは、仕事で使うウェブ制作のプロよりも、ホームページを初めて持つような初心者の方のほうが多いと思います。

現実には、このような簡単な編集方法を実現するために、システムの設計に無理が出てるなと思う箇所もあります。それでも、簡単に扱えるものがソフトウェアとしては最強だと思いますし、どんどん改善されているのを見るのも楽しいです。

デザインカスタマイズがやりやすい(プログラミングの知識が要らない)

これについては、過去記事の“Bootstrap, from Twitter”を使ってさくっとconcrete5でサイトを作っちゃうチュートリアルで詳しく説明しているのですが、もしHTMLとCSSで組んだひな形がすでにあれば、そのHTMLの中にこの4行のPHPを入れていくだけです。

<?php  $a = new Area('Area Name');  $a->display($c);  ?>

このコードを入れた部分に、編集モードでマウス操作でブロックをどんどん足していくだけ。わ〜い、簡単!

プログラマにやさしい

ウェブサイトに求められる機能は多岐にわたります。より魅力的により分かりやすくコンテンツを伝えるには、標準機能以外の拡張機能が必要になることもあります。どんなに使いやすいとは言っても、拡張機能の開発にはプログラミングが必要ですので、プログラマにやさしいシステムでないと、拡張機能を開発してくれるプログラマは増えません。

concrete5はPHPフレームワークになっており、柔軟なオーバーライド機構によって、プログラマが拡張機能を開発しやすい設計になっています。MVC設計のため、デザインに自信がなくても大丈夫。Viewはデザイナーに任せましょう。機能開発に専念することができます。

また、開発した拡張機能はマーケットプレイスにて販売することができ、concrete5のサイト運営者は管理画面から拡張機能を探して直接購入することができます。プログラマへの還元もきちんと考えられているのです。けっこうこれは重要なポイントだと思っています。マーケットプレイスでは無料のものから数百ドルのものまで、様々な拡張機能が出品されています。多くは20〜30ドルなので、2000円くらいの価格帯で販売されています。

開発者のコミュニティはヨーロッパを中心に世界中に広がっていて、フォーラムが盛り上がっています。
http://www.concrete5.org/community/international/

オマケですが、何より開発元のConcrete CMS, Inc.のメンバーが、アメリカ西海岸のオレゴン州ポートランドで、すごい楽しそうに開発してるんですよねー。いいなー

また、日本にもコミュニティがあり、日本のコミュニティで独自にウェブサイトとフォーラムをもっています。

» concrete5日本語公式サイト

日本のコミュニティもリーダーのKatzさんを筆頭に、楽しい面々ばかりですよ。

↑一番右がKatzさんです。

さて、我々concrete5日本語コミュニティが何をしているのかを最後にご紹介しようと思います。

concrete5日本語版の開発

concrete5はアメリカで開発されているソフトウェアですので、当然英語です。それを、メニューや管理画面などの翻訳を、有志の日本のコミュニティメンバーが無償で行なっています。特に今回の5.5.1の日本語版では翻訳に力を入れました。翻訳済みのテキストもほとんどを見直し、正確な翻訳に努めました。

また、本来は翻訳さえすればすんなり動くのが理想なのですが、なかなかそうは行きません。concrete5は国際化(i18n)対応しているのですが、ちょっと甘いところが多々ありまして、一部翻訳が画面に反映されないバグがあったり、日本語などのマルチバイト文字を使用する場合に不具合がでる機能があります。そういうプログラムの不備を修正する活動もしています。具体的にどんな作業をしているのかは、Githubのコミットログに残っています。

https://github.com/concrete5japan/concrete5/commits/master

このような日本語で扱うための修正をおこなってリリースしているのがconcrete5日本語版というわけです。この作業は、どなたでも参加できます!実際、本業がプログラマーではない方も、英語なんて全く話せないよという方も、趣味の範囲で参加しています。concrete5の翻訳を趣味にしてみませんか?

現状は、英語の新バージョンのリリースから日本語版のリリースまで数ヶ月を要している状態です。何より不足しているのは、開発中の日本語版をテストしてくださる協力者です。作業がほとんど終わっていても、テストが不十分なために日本語版の公開が遅れることがあります。私たちは常に協力者を募集しています!詳しくは日本語公式サイトのメンバー募集中ページをごらんください!

勉強会の開催

現在、東京・名古屋・関西の3ヶ所でユーザーグループが立ち上がっていて、各地で勉強会が開催されています。勉強会はほとんどが無料または会場代くらいで開催されています。concrete5が好きな人、concrete5を使っていて困っている人、concrete5の日本語版の開発に関わっている人、concrete5の拡張機能を開発している人、concrete5を使ってウェブ制作をしている人、色んな人があつまり、情報交換をしています。同じ話題で集まって話ができる仲間がいるのはとても楽しいことです。また、オンラインで参加しているコミュニティメンバーがオフラインで互いの労をねぎらう会でもあります。この勉強会もとっても楽しいですよ!

もう明日なんですが、関西の勉強会の第7回が開催されます。concrete5をこれから使ってみたい!コミュニティに参加したい!日本語版の開発に協力したい!という方もぜひご参加ください。

http://www.zusaar.com/event/217001

まとめ

concrete5は楽しいよ!


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