IT勉強会の内輪ノリは是か非か
Posted by admin at 0:38 日時 2015/12/15
IT勉強会で盛り上がってきたコミュニティで必ずと言っていいほど問題に挙げられる「内輪ノリ問題」。Facebookのタイムラインに考察記事が回ってきたのでつい読んでしまいました。読んだのが1週間くらい前でURLを見失いました、すいません…。
ということで「内輪ノリ問題」とは何なのか、個人的見解でまとめてみますが、おおむね次のような内容になるかと思います。
- 常連が常連にしか分からない話題で盛り上がっているため、初参加者がその輪に入れず、次から来なくなってしまう。
- 初参加者が入りにくくなることで、ますます常連だけの会になり、コミュニティの新陳代謝がなくなる。
- せっかくの輪を広げるための会なのに、その機会を逃している。
- いやいや、内輪ノリにそもそも入りたくないひともいるんだから、輪に入るように強制するのもおかしい。
などなど…よくある話題かとは思います。
この「内輪ノリ問題」、自分自身30回以上勉強会を主催し、CMS大阪夏祭りやWordCampなどの運営に関わってきた経験だけで言ってしまうと、問題はソコじゃないんですよね。内輪ノリそのものにまつわる宿命みたいな問題、ではないと思います。
何が問題かと言うと、思てたんとちゃう!ってことなんですよ。初心者でも入りやすいと思ってきたのに入れない!構われたくないのに仲間に入れアピールがうざい!どっちでもそうですね。
そしてこの「思ってたのと違う」問題は、登壇者、そしてコミュニティメンバーでもよく起こります。
- 呼ばれて登壇したものの、これ自分が来る必要なかったんじゃないな…
- 運営手伝うって言ったけど、こんな会だとおもってなかったな…
こういう残念な気持ちを完全に防ぐことはできません。万人の役に立つコンテンツなど作れません。とはいえ、せっかく交通費と参加時間を消費して来てくれる参加者との不幸なすれ違いを防ぐことができれば、それに越したことはありません。
そのために効果的なのは、告知を改善することだと思います。
具体的には、誰が、どこで、誰に向けて、何の目的で、何をするのかを読み取れる告知にすることです。それだけで、不幸なすれ違いはだいぶ減らせると思います。
では、具体的に見ていきます。
誰が
プロダクトのユーザーが主催なのか、それともプロダクトを売る側なのか。ビジネスマンなのか、学生なのか。誰が主催なのかは一番大事な情報だと思います。
当日も、登壇者自身の服装(ラフな格好なのかスーツなのか?)や自己紹介の内容(会社の事業内容なのか、プライベートな趣味なのか)によって参加者が感じる印象は違います。この印象が、告知と食い違っていないことも大事です。
どこで
イベントの告知において住所はもちろん重要ですが、なぜその会場を選んだかも重要です。ユーザーの気軽な集まりが、いかにもお金のかかりそうな高層ビルのオフィスフロアで開催されるのは違和感を感じるでしょう。
誰に向けて
イベントのターゲットを明確にすることは、参加者にとってだけでなく、登壇者にとっても重要な情報です。どこに向けて話したらいいのか分からないイベントは結構ありますよね。
何の目的で
気軽な情報交換のためなのか?それとも業界の先達からヒントをもらうためなのか?
何をするのか/何ができるのか
セミナー形式で話を聞くのか、参加者から自由に話題を振ってもらう座談会形式なのか、お題が与えられたワークショップなのか。
以上に配慮した理想的な告知がこちらです
…と言えればいいのですが、残念ながらそこまで理想的にできた告知はなかなかありません。日々の忙しさにかまけて告知が後回しになってしまい、慌てて公開したりもしてしまいますよね。
最近で一番ちゃんと考えた告知はCMS大阪夏祭りでした。
ターゲットやイベント内容について、きちんと運営側で議論できたのが良かったですね。とはいえ、主催者がえいやっと決めることもあります。よく分からない告知をしてしまうのが一番良くないと考えています。
声かけの重要性
きちんとターゲットや内容を盛り込んだ告知を考え、結果的に初参加の人でも気軽に入ってきてほしいという趣旨になったとします。その上で改めて「内輪ノリ問題」に向き合い、初めての人に疎外感を感じないようにしたい、という結果になったとしたら。当日気をつけるべきなのは、参加者への声かけかなと思います。
勉強会開始前や休憩時間を利用して、参加者に軽く声かけをしてみましょう。天気や交通機関の遅れなどの話題で良いと思います。感覚として多くの方は終わった後にフォローしようとか、スライドの内容を気をつけようとしがちに思うのですが、経験則的に直前の時間が一番大事だと感じています。
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ライトニングトークで内輪ノリ全開の内容が許されるのか…という似たような問題があります。こちらに関しては我らがLTマスター・メガネさんの記事をお読みください!
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