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理想と現実で終わらせない、Web制作者とクライアントとの関係性を改善するには

Posted by admin at 8:16 日時 2014/11/27

おかげさまで昨日の「オープンソースCMSは保守大事だよ」「用途に合わせてWordPress以外のCMSも選択してみようよ」という記事に多くの反響をいただきました。そのあと『WordPressが変えたのは、開発者とクライアントの関係性』というトラックバックもいただきましたので、引き続き構築という制作者サイドの話だけでなく、クライアントとの関係性に目を向けた補足記事を書いてみたいと思います。

とは言っても、今年はずっとそういうお話を各地のセミナーでさせていただいているので、振り返りと言うかたちになります。自分がconcrete5を専門にしているのでよく名前が出てくると思いますが、CMS全般の話と思って見ていただければと思います。

で、今年作った中でいちばんまとまった資料はこれかなと。Web制作者を対象にしたさぶみっと!オフ会の大阪・金沢のセミナーでお話ししました。

この発表のポイントは4点ありまして、この記事ではそれら4つのポイントを順に取り上げてみたいと思います。

CMS導入でエンドユーザーとのコミュニケーションを改善しよう

concrete5の編集モードのデモをお見せすると、Web制作をお仕事にしてる方からはよく「こんなツールが普及すると、Webサイトを作る仕事が減るのではないか」と聞かれます。この疑問を出発点に、サイトの運用フェイズに関わることが大事ですよ、そのためにCMS導入は良い方法ですよ、というお話です。そのために、サイトリニューアルの案件でも、ヒアリングの段階で「リニューアル時のコンテンツ」と「成長後のコンテンツ」の両方を明確にし、前者から後者へのステップアップのプランまで提案できるととても良いと思います。

また、スライドで触れている「CMSが果たすべき役割、運用の改善のゴールとは、エンドユーザーとサイトオーナーの間のコミュニケーションの改善である」という話は、CMSに詳しい言問の藤田さんのスライドでも取り上げられています。藤田さんとお話しするといつも楽しい。

「実装者が実装しやすい」という視点は、CMSの導入においてどんどん重視されなくなっていき、主役はサイトの運用者に移ってきているという話です。この分野ではオープンソースではなくエンタープライズ向けのCMSが先行していますが、周辺ツールの普及などで徐々に一般化してくるものと思って、個人的にも注目しています。

英語ですが、カスタマーエクスペリエンスを最大化するCMSは、複数のチャンネルへのコンテンツ配信や、マーケティングオートメーションやソーシャルのツールとの連携、コンテンツのパーソナライズが必要になってくるという記事。この分野、実はconcrete5はまだまだ弱い。

でも、マーケティング関係のツールはどれもこれも結構なお値段しますので、オープンソースCMSの標準機能で無料である程度やっちまおうぜ、という夢のある発表がこちら。

CMS導入で運用を楽しくしよう

効率化だけがCMSの良さじゃないよ、という話です。クライアントのWeb担当者の積極的な参加を促すために、直感的で自由度の高いCMSを使ってみてはどうでしょうか。ロボットのように作業をやらされるだけでは、楽しくありません。もちろん、定型のフォーマットにしたがってコンテンツを登録する必要性も多々ありますが、柔軟さと楽しさ、ルールと効率のバランスをCMS導入の際にクライアントと話し合っておくと、ぶれのないCMS導入が可能かと思います。

個人的にお客さんに楽しく運用してもらいたいよねという話が大好きでどうしてもそう言う話に注目してしまいますが、別にconcrete5じゃないとできないという話ではなく、WordCampでももちろん、そういうセッションがありますよ。

中級編以降はマダカナ?

CMS導入で構築を楽しくしよう

CMS組み込みが全部完了し、マニュアルも作り終わり、さあできましたこちらがマニュアルです!というCMS導入は、クライアントとの認識のずれが最後になって発覚するリスクが高いです。CMSで動くモックアップを作って、デザイン反映前にクライアントに確認を取り、なるべく早い段階でCMSの利用を開始してもらう。このことでコミュニケーションロスを減らしクライアントの満足度を上げる。過去記事でも詳しく取り上げました。

この話は今年他のCMS(特にa-blog cms?)の方も言っていますので、標準的な考え方になっていくのではないかなと思います。

CMS導入で社内コミュニケーションを改善しよう

コンテンツがインターネットに公開されるまでのコミュニケーションをCMSで改善しましょうという話です。ここで権限機能やコンテンツのバージョン管理、ワークフローなど具体的なCMSの機能の話になります。詳しい話は過去記事に譲ります。

おわりに:というかCMS関係ない話も多いよね?

いや、実際そうなんですよ。クライアントと同じ方向を向くということ。これはWeb制作のプロにとって必ず必要になってくることで、CMSをどれを選ぶかという話ではないんです。今年、Megane Fesで一緒に登壇したよつばデザイン後藤さんの資料が心に残ってます。

ただ、CMSというクライアントと制作者が共通で使うツールを間に介することで、色々とやりやすくなるのも確かです。繰り返しになりますが、なぜconcrete5がいいのかという話ではなく、このような視点をもって、各CMSを触ってみる。それぞれの勉強会に行ってみる。なかったら勉強会を開催してみる。そして集めた情報で、自分はどのCMSを選択するかを考える。ということが必要かなと思っています。

最後に宣伝

concrete5 アドベントカレンダー初開催します!あと3枠しかありませんのが、ぜひご参加ください。どんな話が出てくるかいまから楽しみです。

http://www.adventar.org/calendars/374


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